青木　悦の本

子育てに〝正解〟を求めてさまよう人がいます。
〝失敗した〟と、自分を責める人がいます。
そういう人に、〝誰にでも当てはまる正しい子育て〟なんて存在しないこと、
あるのはただ子どもといっしょに悩み、泣き、喜ぶ----
子どもと共に生きることだけではないかというメッセージを伝えたいと思います。

私はひとりだけ子どもを育てましたが、その結果知ったのは、
子どもにとって「いいお母さん」像は、子どもの年齢によって変化するという事実です。
子どもの年齢によって変化する望ましい母親像を、全部満たすなんて不可能です。
何よりも、私たちは、子どもに気にいられる母親になろうと生きているわけではありません。
私が先に生きていて、そこに子どもが加わるのです。
互いに育て合う面はもちろん持っていますが、子どもに合わせて人格を変えるなんて不可能です。
しかし、現実には、子どもに好かれる〝いい母親〟でありたい、
あらねばならないと思っている女性が多いことに、私は驚きます。

子どもがトラブルを起こした時から、「親」が始まるのだと私は思います。
今ほど子どもが生きにくい世の中はないのです。
その時代に子どもと生きる親が苦しいのは当然です。
特に母親は、子どもを自分の通信簿のように思いこまされている人が多いので
がんばりすぎてしまいます。
私も少しはがんばったけど、すぐまわりに「助けて!」と言って、
みんなに我が子を育ててもらったようです。

■子どもを持つ親なら誰でもぶつかる悩み、苦しみを自身の体験を語って、心をさらけだし、成長していく様を、小気味よく書いてくれ、おもわず「うん、うん」と言いながら、読み終えたとき、目にはジワーッと涙がにじんでいました。親とは何ぞや、夫婦とは……。私は私らしく生きていこうと思いました。　　(福島・44歳　女性)

■二人目を妊娠中で、大変な時にこの本と出会いました。心のつかえがとれました。「あなたは、それでいいんだよ」と、心をそっとなでてもらった気持ちでした。　　(岐阜・31歳　女性)

■私が子どもに対して悩んでいたこと、私たちのしつけ、とにかくすべて母の私が背負い込み、責任を感じていたんですけど、著者の「自分を責めないでください」の言葉に、私は心持ち救われたような気がしました。気がつけば、全部夫や子どものせいにしていた私に気がつかせてくれた一冊でした。　　(大分・34歳　女性)

■今、1歳10ヶ月の子どもを一人育てています。毎日反省の日々でくじけそうに(もうくじけていたかもしれません)なっていた時、この本を読んで勇気が出ました。オーバーラップするところが沢山あって、ちょっと肩の荷が下りたというか、力が抜けたというか……。もっと早くにこの本と出会っていたかったと思いました。だから、まわりの友人、知人、姉さんに教えて、読んで欲しいと〝強要〟しています。子育てだけでなく、夫婦のあり方、家族以外との交わり方、いろんなことが学べて、とても良かったと思います。本音で書いてある本、本当に感激しました。　　(長崎・31歳　女性)

「子どものために」という前に	1998年初版第1刷2002年第6刷　発行 (株)けやき出版　編集　梅津　敬さん　ISBN4-87751-056-7 C0037
子育て　私の場合