青木 悦　―福島から

　何という年明けでしょうか。
　とても「おめでとう」という気にはなれませんが、暦は１月１日をすぎました。
　どなたかが「我々は民衆に届く言葉を持っていたのか」なんてことをおっしゃっているようですが、
ご自分は「民衆」ではないのでしょうか？
　言うのなら「我々は、（自分も含めた）民衆の心の底の恨み、怒り、イラ立ち、ねたみ――そういう
感情を甘く見ていました」ぐらい、言ってほしいです。
　福島にいると、この、筋違いの恨み、怒り、分かるような気になるときがあって、こわいです。
　「絆」なんて言いながら、結局、原発ゼロの脅しにのってしまうなんて……。ほら、ほら、恨み節の
始まりです。
　南天に雪が積もって、だからなおさら南天の実は赤く見えて、ヒイラギの花なんて、私は初めて
気がつきましたが、なんと目立たない、なんと可憐な花なんでしょう。
　まだまだ地球の生き物のことも分かっていないのに、それを殺してしまうようなことだけでもやめよう
という、謙虚な気持ちで、あきらめず、しぶとく、生きていくしかない、そう思います。
　どうか、今後ともよろしくお願いいたします。
　 　　 　　　　　 　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 　青木　悦　　坂本鉄平　

　うつむいて歩いてばかりいて、ふと青空を見上げると、はくもくれんの芽が空に向かって伸びていました

「冬の時代に耐える」時代が来るなんて！

左手のこんもりした山が吾妻小富士。すでに雪うさぎの形から雪が積もっていっています。この山々から吹き降ろしてくる風が冷たいのです。

発見して大変感動したヒイラギの花。気がつかないうちに咲き、散っていたのですね。こんな小さな花に気付かせてもらうのも、今のフクシマだからでしょう。

ドウダンツツジの芽。この木は新芽でも葉でも花でも枯れ木でも楽しませてくれます。

雪の中の南天と水仙の葉（右）めげずにがんばってます。

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