「運動会のやり方」
いま、運動会は春にやってしまう学校もありますが、やはり秋はスポーツの季節、この時期が多いようです。学校五日制になって、いろいろな行事が削られたりしています。行事が楽しみで学校に行く子(実は、こういう子どもこそが学校を学校として支えています。勉強のみなら塾・予備校でいいはず)にとって、おもしろくないことでしょう。なかでも運動会こそ〝出番〟という子にとって、秋は楽しみなのに削られたらつらいでしょう。
運動会のやり方をめぐってあちこちでちょっとした不満の声を聞きます。かけっこで、前もってタイムをとり、速い子同士から走らせるというやり方です。この方がいいという人たちは「速い子はいつもトップになる。もっと速い子もいることを知るべきだ」といいます。
しかしこのやり方は、遅い子にとってはたまらないことになります。学校で一番遅い子というのがハッキリしてしまうからです。アイウエオ順(名簿・しかも男女混合名簿で)とか、席の順番に走るとかの方がいいと、私は思います。
もちろん女の子が一番になる楽しさもあるし、背のちっちゃい子があれよあれよという間にみんなを追い越していく意外性もあります。何より、ビリになった子にとって「あのグループではビリだけど、他のグループだったら少しは前に行かれた」という、〝言い訳〟を用意することができます。
学校はいま、何でもかんでも明らかにすることがいいかのようなマスコミの攻撃とか親の声に押されつづけていますが、学校はあいまいで、ファジーだからこそ子どもが居られるという面もあります。かといって教員の暴力とか「いじめ」とか、明らかにすべきところはあるでしょう。
学校の行事は何のためか、親も教員も子どもも共に考えたいですね。もうそろそろ「一番が一番いい」という価値観を問い返さなければならないと、思いますが…。